2025.07.13
代襲相続ってなに?〜相続円満の知識〜
相続円満相談室からお客様への知識として、正しい知識をお伝えさせていただきます。 相続は、被相続人の死亡により発生しますが、相続するはずの子供が相続した場合、代襲相続が発生します。 その代襲相続からの事例をお伝えしたいと思います。 ー代護相続人ー 血族相続人である子又は兄弟姉妹が、相続開始前に死亡していた場合、文 は相続欠格・廃除により推定相続 人たる地位 を失った場合。その者に直系卑属がいれば、その直系卑属が子や兄弟姉妹に代わって相続します。 これを「代襲相続」といい、代襲される者を「被代襲者」、代襲相続をする者を「代襲者(代襲相続人)」と言います。 代襲相続は血族相続人にだけ認められ、子について発生する場合と、兄弟姉妹について発生する場合の2つがあります。 代襲相続は、固有の相続権に基づく相続の代わりに認められる代位相続であるが、そのもととなる固有の相続権に基づく相続を 「本位相続」といいます。 その固有の相続権を有する者を「本位相続人」(配偶相続人・血族相続人)ということがあります。 ー兄弟姉妹の代相続人の制限の歴史ー 昭和55年の民法の一部改正(昭和56年1月1日施行)前までは、兄弟姉妹の代襲相続人は、子の代襲相続の場合と同様、その直系卑属とされていたが、その一部改正で兄弟姉妹の子(甥・姪)までとすることに改められた(888条2項・901条2項) 【事例ー被相続人の子が先に死亡していた場合】 被相続人Hには子A、Bがおり、子Aにはその子a1、a2がいます。子Aがその父Hの死亡の前日に死亡した場合、Hの相続人の範囲はどこまでになるだろうか? 【答え】 Hの本位相続人は子A、Bであるが、AはHの死亡当時すでに亡くなっていたのであるから、Aの相続分についてはその子a1、a2が代襲相続します。したがって、Hの相続人はa1。a2。Bの3 人となります。 代襲相続人となる孫以下の相続人は、直系卑属としての固有の相続権に基づいて相続 (本位相続)するわけではなく、子を代襲してその相続分を相続 (代位相続)することになります。 したがって、a1、a2の相続分はAの本位相続分である1/2を株分け(法定相続分の割合による分配)して、それぞれ1/4 (=1/2✕1/2)となります。(a1、a2は本位相続人ではないので、Bと並んで、平等の頭割りにより1/3となるわけではありません) (b)代襲相続される者(被代襲者) 代襲相続される者(被代襲者)は 、被相続人の子又は兄弟姉妹です(887条2項・89条2項)。直系尊属又は配偶者は被代襲者とはなりません。 【事例ー被相続人の配偶者が先に死亡していた場合】 被相続人HとWが婚姻したがWは病死しました。Wには死別した前夫との間の子A(Wの連れ子がいるが、Hとの間で養子縁組はしていません。Hが死亡したとき、AはWの代襲相続人になれるでしょうか? 【答え】 配信者には代襲相続は認められていません。配得者の直系卑属であるAに代襲相続を認めるということは、被相続人Hの財産が血族を飛び越え、姻族に取得される結果を招いてしまい、不都合な事態となってしまうからです。 よって、Aには被相続人についての相続権はありません。 (c)代襲相続できる者(代襲相続人) 代襲相続人となりうる者は、(1)被相続人の直系卑属。すなわち子の子と、(2)被相続人の兄弟姉妹の子、すなわち甥や姪です。 被相続人に子がいない場合は、直系尊属が次順位の相続人になるが、尊属の相続権は親等の順で固有の相続権が認められているものです。 したがって、親が死亡していても祖父母が生存していれば、祖父母が直系尊属として本位相続人となるのであって、親の代襲相続人となるわけではありません。 (d)代襲原因 相続人(被代襲者)の、(1)「相統開始以前の死亡」、(2)「欠格」、及び3「廃除」の3つです。 「相続放棄」は代襲原因にならないことに注意します。なお、同時存在の原則により、相続開始の時点で相続人が存在していなければなりません。 では、代襲相続が問題となる場合に、同時存在の原則はどのように適用されるのでしょうか?これは、代襲者の存在は、代襲原因の発生時(被代襲者となる相続人の死亡時、父格原因時。廃除時)に要求されるのか、それとも相続開始の時にだけ要求されるのかの問題であり、次の設例で検討します。 【事例ー代襲相続と同時存在の原則】 被相続人には子Aがいたが、AがHを虐待したので、家庭裁判所の審判によりAは日の相続人から廃除されました。その後、Aとその妻の間に子aが生まれ 、Aは死亡しました 。Hが死亡したとき、aは代襲相続人となりうるでしょうか? 【答え】 Hの相続について、aは被相続人Hの孫にあたるので、亡父Aの代襲相続人となりえます。代襲者は、相続開始の時点において、被相続人の直系卑属として存在していれば足りるのであって、代襲原因の発生時点(被代襲者となる相続人の死亡時など)に存在していることまでは要求されていないからです。 孫に代襲相続を認める以上、本位相続人である被代襲者Aが廃除された時点で、 Aの子a が生まれていたか (あるいは養子縁組の前であったか)どうかは重要ではないということです。(民法887条2項の文言を見ても、代襲原因の発生時に代襲者となるべき者の存在を要する記載はありません) 裁判例でも、被相続人が死亡した時に相続人である被代襲者が生存していれば、法律上当然その相続人たりうるか否かによって判断するものとします。 したがって、Aの廃除がなかったとすれば 、被相続人 の相続開始時にAは当然にHの相続人になっているのだから、 Aの廃除があり、その後にaが生まれたとしてもHの孫であることに変わりはないということになります。 (e)代襲相続の効果 代襲相続人は,相続人(被代襲者)の相続分(本来的相続分である法定相続分又は指定相続分)を株分けで相続します。 代襲相続人が数人いる場合には、各代襲相続人の相続分は平等の頭割り(= 均等)となります 。 (f)再代襲相続 例えば、被相続人が死亡した時、Hの子Aのみならず、Aの子a1(Hの孫)も死亡していたが、a1には子aa1(Hのひ孫)がいるというような場合、aa1が代襲相続によりH を相続することになります。この代襲相続を「再代襲相続」といい、ひ孫以下の直系卑属についても同様です。 再代襲相続においては、子Aの代襲原因(死亡)が先か、孫a1の代襲原因が先かは問われません。 ただし、兄弟姉妹の代襲については、先に述べたように、昭和55年の民法改正で、その子(甥・姪)までに限定されているので、兄弟姉妹には再代襲相続はありません。 理由は、前述したように甥 ・姪の子となると親族的なつながりが希薄であること、及び相続人が多数になると遺産分割の早期実現に支障を来すこと、の2点にあります。 (ただし、改正法施行以前に開始した相続については、旧法の適用により子の場合と同様に再代襲があります) 【事例ー被相続人の子だけでなくその孫も死亡していた場合】 100歳になる被相続人Hには、子AとBがいました。このうち、Bはその子 b1、b2 、b3を残して死亡しました。しかも、b1も、その子bb1、bb2を残して死亡しています。 このような 状況の下でHの相続が開始した場合、Hの相続人となるのは誰でしょうか? 【答え】 Hの本位相続人は、AとBであるが、BはHより先に死亡しているから、 B に代わってHの代襲相続人となるのは、Bの子b1、b2、b3です。 そして、b1もHより先に死亡しているので、代襲相続人b1に代わって、 さらにその代襲相続人となるのはその子bb1とbb2です。 この2人のことを2度目の代襲者という意味で「再代襲相続人」といいます。 結局、Hの相続人となるのは、子A、孫b2とb3、ひ孫bb」1とbb2の5人です。 ちなみに、その相続割合は、A1/2、b2とb3が各1/6。bb1とbb2が各1/12となります。 (g)養子が被代襲者の場合 被相続人の子の子が代襲相続人となるには、その者が被相続人の直系卑属であることが必要となります。 この直系卑属の要件に関して、被相続人の子が養子であり、この養子に養子縁組前の子(いわゆる連れ子) がいる場 合はどうなるかが問題となります。 結論からいうと、養子縁組前の連れ子は代襲相続人にはなりえません。 民法887条2項ただし書によると、「被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない」とあり、養子は養親及びその血族と養子縁組の日から法定血族関係に入るが、養親はその時点の養子の親族(子の親や養子の連れ子)とは親族関係に立たないからです。 【事例ー養子縁組をする前に生まれた養子の子の代襲相続権】 被相続人HはAと成年養子縁組をしたが、Aには縁組前に生まれた子a1がいました。また、縁組後にはa2が生まれています。養子Aが死亡し、その後にHが死亡しました。 Hの相続について養子Aに代わって代襲相続人となるのは誰でしょうか? この事案でAの代襲相続人となるのは、a2だけです。 養子縁組後に生まれたa2はHの直系卑属ですが、縁組前に生まれている子は直系卑属とはなりません。そのため、a1は代襲相続を受けることはできません。 今日はここまで! 相続円満相談室の相続の基礎情報でした。 相続の現場からは以上でーす!