2026.07.13
認知症の方がいると相続登記が思うようにならない現実と対策方法!
こんにちは!倉敷市で相続専門の行政書士をしております、「相続円満相談室」の内川良太郎です。 今日も児島エリアのお客さまから、非常に切実なご相談をいただきました。 瀬戸大橋のふもと、昔ながらの立派なおうちや歴史ある土地が多い児島地区ですが、実は今、「何代も前の名義のまま放置されていた実家」に関するトラブルが激増しています。 今回ご紹介するのは、「おじいちゃんの名義のままだった実家をいざ整理しようとしたら、相続人のひとりが認知症になっていた」というケースです。 「まさに今、うちがその状態かも…」という方も、「将来そうなるかも…」と不安な方も、児島の地域性を踏まえながら、どう解決すべきか、そして「どうしておけば防げたのか」まで、分かりやすくお話ししますね。 実際にあった相談:おじいちゃん名義の実家と、認知症の相続人 児島地区にお住まいのAさん(50代)からのご相談でした。 お父様が亡くなり、児島にある実家をどうにかしようと登記簿(名義)を調べたところ、なんと亡くなったおじいちゃん(明治生まれ)の名義のままになっていることが発覚。 法律上の相続人は、Aさんのお父さんのきょうだいである「3人の子どもたち」になります。 しかし、そのうちのお一人(Aさんのおばさん)が、数年前から認知症を患い、現在は施設に入所されている状態でした。 【今の状態】なぜ、そのままでは進められないのか? 不動産の名義を変更したり、売却したりするには、相続人全員で「誰がどの土地をもらうか」を話し合う「遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)」をしなくてはなりません。 しかし、法律では「物事の判断が正しくできない状態(意思能力がない状態)」の方が行った合意は無効とされてしまいます。つまり、認知症のおばさんを抜きにして話し合ってもダメですし、おばさんに無理やり書類にハンコを押してもらっても、その手続きは通らないのです。 今この状況なら、どうしたらいい?(解決へのステップ) では、Aさんたちはどうすればいいのでしょうか。解決策は主に2つあります。 ①「成年後見人(せいねんこうけんにん)」を立てる おばさんの代わりに法律的な判断や手続きを行う「成年後見人」を家庭裁判所に選んでもらいます。後見人が決まれば、その人がおばさんの代理として遺産分割協議に参加できるようになり、手続きを進めることができます。 ここに注意!: 後見人は一度選ばれると、おばさんが亡くなるまでずっとサポートが続きます。また、司法書士や弁護士などの専門家が選ばれた場合、毎月の報酬(費用)が発生し続けるため、慎重な検討が必要です。 ② 法定相続分でいったん「共有名義」にする 話し合い(遺産分割協議)をせず、法律で決められた割合(3分の1ずつ)で、とりあえず3人の名義に変更する方法です。これなら認知症の方がいても手続き自体は可能です。 ここに注意!: 名義を3人の共有にしてしまうと、将来その実家を「売りたい」「解体したい」となった時に、また認知症のおばさんの同意(=後見人)が必要になり、問題を先送りにするだけになってしまいます。 児島エリアの土地や建物は、親族の思い入れが強い物件も多く、手続きを焦って親戚間でギクシャクしてしまうのは一番避けたいところです。Aさんのケースでは、ご親族の生活状況や今後の実家の活用方法をじっくり伺い、最も負担の少ない形で後見人の手続きを進めるサポートをさせていただきました。 ぶっちゃけ、どうしていれば良かったのか?(事前の対策) 今回のトラブル、実は「おじいちゃんが亡くなったとき」、あるいは「おばさんが認知症になる前」であれば、こんなに苦労せずに解決できていました。 もしタイムマシンがあるなら、以下の2つのどちらかをしておくべきだったのです。 対策1:おじいちゃんが亡くなった時点で、すぐに名義変更しておく 「名義変更はお金もかかるし、身内だけだから後でいいや」と放置したことが全ての引き金です。2024年4月から「相続登記の義務化」が始まっています。昔と違って、放置すると罰則(過料)の対象にもなるため、「亡くなったらすぐ名義変更」が今の時代の鉄則です。 対策2:おばさんが元気なうちに「遺言書」や「家族信託」をしておく もしおじいちゃんの名義のままであったとしても、おばさんが元気なうちに「実家の名義はお父さん(Aさん側)に譲る」という内容の合意書や、将来に備えた「家族信託(かぞくしんたく)」の契約を結んでおけば、認知症を発症した後でもスムーズに手続きができました。 児島の街と、大切な家族の財産を守るために 児島地区は、古くからの横のつながりや、ご近所・ご親族の絆を大切にされる温かい街です。だからこそ、相続のトラブルで親戚関係が壊れてしまうのは本当に悲しいことです。 認知症のきょうだいがいる、名義が昔のままで止まっている……そんな状態でも、決して諦める必要はありません。一歩ずつ紐解いていけば、必ず円満に解決できるルートがあります。 「うちの実家、もしかしておじいちゃんの名義かも?」「親の物忘れが始まっていて心配…」という方は、問題が複雑に絡み合う前に、ぜひ一度お気軽にご相談ください。児島の皆さまの「円満な相続」のために、全力で伴走いたします! 倉敷市の相続・遺言・認知症対策なら 【相続円満相談室】行政書士・内川良太郎