2026.08.05
看板を見て駆け込んで来られたお客様。「実家の1/3の現金を払え」と言われたらどうする?
倉敷商業高校前のバス停の前で、相続専門の行政書士をしている相続円満相談室の内川良太郎です。 「家族に笑顔を!あなたに安心を!」を胸に、倉敷の地で相続前から相続後まで、ご家族が円満に手続きを進められるようお手伝いをしています。 先日、事務所の窓に掲げている看板をご覧になって、ある男性のお客様がご長男様と一緒に相談にお越しになりました。 お話を伺うと、お母様が亡くなられ、これからご兄弟(お姉様と妹様)と遺産分割協議を進めなければならないとのこと。 しかし、大きな問題が立ちはだかっていました。 東北にお住まいのお姉様から、「私が相続する権利(法定相続分の1/3)として、実家の評価額の3分の1に当たるお金を現金のハサミで切って払ってほしい」と言われてしまったのです。 ご相談者様はご実家を守りたい。けれど、まとまった現金をすぐにお姉様に支払うほどの金銭的余裕はない……。 長男様も心配そうな表情で横に座られており、ご家族全員が途方に暮れているご様子でした。 ■ 「悪気はない」からこそ、深まる溝 遠方に住むお姉様からすれば、「自分も子供として権利があるのだから、きちんとお金で分けてほしい」と主張されるのは、法律的にも決しておかしなことではありません。お姉様に悪気があるわけではないのです。 しかし、実家という「分けられない不動産」を前にした時、現金がない側からすると「実家を売ってお金を作れということか…?」と追い詰められた気持ちになってしまいます。 当事者同士で話をしていると、どうしても「お金を請求する側」と「払えない側」の感情的な対決になってしまい、せっかくの兄弟仲に亀裂が入ってしまいます。 では、このような時、私たちはどのような解決策をご提案するのでしょうか? ■ 家族が円満に着地するための「3つの解決の鍵」 今回のご相談でも、私は「実家を売るか、泥沼で争うか」の二者択一ではない、ご家族全員が納得できる道筋をお伝えしました。 ① 「代償金」の現実的な支払い方法(分割払い・据え置き)を提案する 不動産を引き継ぐ人が、他の相続人にお金を払って調整することを「代償分割(だいしょうぶんかつ)」と言います。 一括で払うのが難しい場合は、「〇年かけて分割で払う」「〇年間支払いを猶予してもらう」といった条項を、遺産分割協議書の中に組み込む方法があります。お姉様にも「一括は無理だが、これなら確実に払える」という誠意と計画をお見せするのです。 ② 不動産の評価額を「客観的かつ適正な数字」で出し直す お姉様が提示している「実家の価値」は、もしかすると相場より高く見積もられている(路線価や査定の出し方による)かもしれません。 地元の不動産に詳しいプロの目を入れて「現実的な売却可能額(時価)」を割り出し、全員が納得できる「計算の基準」を整えます。 ③ 「実家を守る理由」と感謝の気持ちを手紙で丁寧に伝える 東北にお住まいのお姉様は、ご実家の現在の状態や、ご相談者様がこれまでどれだけ実家や親御さんを守ってきたかが見えにくくなっています。 「権利の主張」のぶつかり合いにするのではなく、行政書士が間に入り、「なぜ実家を残したいのか」「これまでのお礼と、これから払っていく誠意」を文章(付言やお手紙)として間に入れてお伝えします。 ■ 誰かを「敗者」にしないのが、円満相続の答え 相続の手続きで一番やってはいけないのは、「法律上の勝ち負け」を決めてしまうことです。 お姉様の「権利」も尊重しつつ、ご相談者様の「生活と実家」も守る。 お互いが少しずつ歩み寄り、「この形ならお互いに良かったね」と思える落としどころを一緒に探すのが、私の仕事です。 ご相談を終えた時、固い表情だったお父様とご長男様の顔にパッと安堵の表情が浮かび、「先生に間に入ってもらえて本当に良かった」とおっしゃっていただけたのが何より印象的でした。 ■ まとめ:看板を見かけたら、いつでも扉を叩いてください 今回のお客様のように、「親族からお金を求められたけれど、手元に現金がない」「遠方の親族とどう交渉したらいいか分からない」とお悩みの方は本当にたくさんいらっしゃいます。 一人で抱え込んでいると、夜も眠れなくなってしまいますよね。 相続円満相談室は、倉敷の皆様がいつでも気軽に飛び込める街の相談所です。 看板を見かけて「ちょっと話を聞いてみようかな」と思われたら、どうぞ遠慮なくドアを開けてくださいね。 倉敷市役所で27年間培った経験と知見をフルに活かし、あなたのご家族が笑顔を取り戻せるよう、全力で寄り添わせていただきます。 家族の笑顔と、あなたの安心を守るために! 相続円満相談室の現場からは以上でーす!