2025.06.19
あなたは相続出来る資格はあるか?〜相続円満の知識〜
相続円満相談室からお客様への知識として、正しい知識をお伝えさせていただきます。 まず最初にお伝えしておきますが、相続人となるべき者は、相続資格の喪失事由があると、相続人にはなれないよ。というルールがあります。 では相続する資格が無くなるのは ①相続人の意思に反してでも相続資格を失わせる「相続人の失格」 ②相続開始後に自らの意思で相続人としての資格を放棄する「相続の放棄」 この2種類があります。 ①相続人の失格とは 相続人の意思に反して相続資格が失われる場合が2つあります。 まずは一つ目は、相続欠格 大きく分けると、被相続人などに対する生命侵害に関するもの(例えば被相続人を殺して刑に処せられたとか)と、被相続人の遺言の妨害に関するもの(不利な遺言の破棄したち隠匿したりした場合とか)に分けられます。 欠格となった場合、相続人の資格は剥奪されます。欠格となる原因が事実であれば、裁判上の宣告や意思表示など何らの手続を要しないで、法律上当たり前に発生することになります。相続開始前に欠格原因の事実があれば即時に、相続開始後に欠格原因が発生すれば相続開始時に遡って、結核の効果が生じます。また、相続欠格社は同時に受遺能力も失うことになります。 ・相続人の廃除とは 被相続人が相続させたくないなぁと感じるような非行が推定相続人にあり、かつ、客観的にもそれが妥当と判断される事情いがある場合には(虐待や重大な侮辱や著しい非行など)被相続人は、家庭裁判所の審判によって当該推定相続人の相続権を奪い取ることが出来ます。このことを「廃除」と言います。 またこの廃除は、遺留分の権利を持っている推定相続人に限ってすることが出来ます。 廃除は遺言によってすることも出来るが、その場合は遺言執行者が家庭裁判所に廃除の請求をして、廃除審判が確定することによって相続権を失うこととなります。 ②相続の放棄とは 相続人には、私は相続しません。と自らの意思で相続をしないことを選択する事由が認められていて、このことを「相続放棄」と言います。 例えば、被相続人が500万円持っていて借金が1,000万円があったとすると、普通に相続すると500万円の借金を背負うことになります。こういった場合「相続放棄」を選択される方が多いです。 ー相続放棄の手続の仕方ー 相続放棄は、相続放棄をすることを”家庭裁判所”に申告することによって行います。 ただ、相続放棄の申告は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にしなければなりません。 この3か月の期間がいわゆる「考慮する期間」です。 相続人が何人もいるときは、考慮する期間はそれぞれ別々に進行します。そして注意点としては、相続財産の状態が複雑で、調査その他の都合上日数を要するときには、利害関係人等の請求により、家庭裁判所うはその期間(3か月)をさらに伸ばすことが出来ます。 ただし、相続放棄が受理されたとしても、事実的に放棄が有効と確定する訳ではありません。もし法律上の無効となるような原因がある場合には、被相続人の債権者は後から相続放棄の効力を訴訟で争うことが出来ます。 ー考慮する期間の起算点ー 考慮する期間の起算点は、原則として「自己のためにそうお↑雨の開始があったことを知った時」です。ただし、相続人が未成年者または成年後見人であるときは、その法定代理人がその人のために相続が開始したことを知った時から起算します。 (事例ー相続放棄の選択肢がまったくない場合) 別居して音信不通状態にあった無資産でフラフラしていた父T(被相続人)の死亡が、唯一の相続人である子Aに知らされた。財産は何もないことから、Aは相続放等の手続きをしなかった。ところが、Aが父の死亡を知ってか ら1年後に、父Tは生前。知人の金融会社からの借入金100万円について連帯保証人となっていたことが判明した。そこで、Aは慌てて家庭裁判所に相続放棄の申述手続をした。この手続が有効な相続放棄といえるか? 1 判例は、「相続が開始したこと」及び「自己が相続人となったこと」を覚知した時をもって起算点とする立場です。そして、この事例のような 「特段の事情」がある事案については、最高裁は、上記の原則を維持しつつも、例外的に救済を与えるという解釈を示しています。すなわち、3か月以内に相続放をしなかったのが、被相続人に相続財産がまったく存在しないと信じたためであり、そのように信じることについて相当な理由があるときは、「熟慮期間は、相続財産の全部又は一部の存在を認識した時又は通常これを認識し得べき時から起算する」としました。 2 この判例は、個別具体的な状況下で相続人にとって放棄・限定承認の意思表示をすることが期待できたかどうか(選択権行使の期待可能性)を考慮に入れ、熟慮期間の起算点を確定したものとみるのが適切であると考えられます。 今日はここまで! 相続円満相談室の相続の情報でした。 相続の現場からは以上でーす!